(足代八幡神社 昭和30年7月15日徳島県天然記念物指定)
ナギの木はマキ科に属する常緑の高木で、古代からよく神社に植えられ、木の高さは30m、胸高の幹の周りは2.4m位になる。葉は引っ張っても切れにくく、別名「チカラシバ」又は「ベンケイノチカラシバ」とも呼ばれ、昔は縁が切れにくいと言い、嫁入り道具の手鏡の模様にしたと言われている。日本には本州の西部・四国・九州・沖縄に分布している。
八幡神社のナギは、南の集会所(旧薬師堂)の東の木が最も太く、幹の太さは胸高で2.4m。神社境内の鳥居の東の木が1.91mである。この他この2本から増殖したと思われる。
0.7m位のものを入れて20本程あり、イチョウ・クス・カシその他の樹木と混在し社叢を形成している。鎌倉時代の歴史書『吾鏡』には源頼朝が三野田保を元暦2年(1185)に石清水八幡宮に寄進した記録が残されている。足代八幡神社はこの時代に石清水八幡宮の分霊を勧請して造立されたと言われている。分霊の史実は見あたらないが、ナギの社叢から推察することができる。