所有者は加茂東原の加藤浅吉氏。石敢当は、中国古代理想から起り、災いをもたらす邪鬼や悪霊を防ぐため、石敢当とか石将軍などの文字を刻んだ石を門前や三差路に立て、生活の平安を保とうとするもので、石神信仰の一種である。
県内には数墓あり、その内の1つが東原に立っている。7m四方の墓壇に鬼門堂があり、その北側に鬼門を防ぐ石敢当が東北東に向けて建てられている。高さ1.8m・幅54cm・厚さ8cmの緑泥片岩製で、表面に大きく石敢当と刻み左右に文久二戌年世話人当東原、3月吉日三賀茂村とある。文久2年(1861)、加茂に悪病が流行し大火や水難が続いたので、村人はこの原因は村の鬼門が開いているからだと考え、鬼門堂と石敢当を建て悪霊が治まったと伝えられる。昭和57年7月20日町民俗文化財に指定された。
(みかもの文化財より)