六部(六十六部の略)といって、書写した六十六部の法華経を六十六ヶ国の霊所に一部づつ納めるため、諸国の社寺を巡礼する行脚僧があった。室町時代に始まり、江戸時代には俗人も行った。後には、男女ともねずみ木綿の着物・手甲・股引・脚絆で、死後の冥福を祈るため、鉦を叩き鈴をふり、或いは扇子を負い、家ごとに銭を乞い歩いたという。
そうした六部が当地に訪れ修行した記念に建立したのであろう。また碑の近くの人が、「行き倒れへんどの墓だ」と伝え聞いているように、行脚の途中で死んだ六部を哀れんで供養のため村人が建てたのかも知れない。
本町に四ヶ所五基ある。西庄往還の国道南沿の日本回国碑は立派なものである。ここに駅路寺の宿泊所の長円寺があったので、六部が訪れることも多かったのだろう。
東みよし町の文化財 回国塔
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